daikosh's blog

1日1アウトプット

プレゼンの悪い例。

 

先週の2日間は学会で愛知にいた。1日目のポスターセッションに参加し、2日目は基調講演を2件聴いたのだが、その講演の1件がなかなかにひどかったので反面教師として今日は取り上げたいと思う。

1件目は大学教授が大学と企業における「研究」の違いについてお話になった。ユーモアを混えながら、まとまりのある内容を30分程度お話された。とても有益なものだったと言えば嘘になるが、分かりやすいプレゼンだった。問題は2件目である。K社の部長が「〇〇において留意すべき事柄」という題でお話された。このタイトルの時点でナンセンスだと思われるのだが、個人的に駄目だと思った点を一つずつ観ていこう。まず、タイトルからも分かるが伝えたいメッセージが不明瞭な点だ。何のための基調講演なのかを全く分かっていない。会社説明と事業説明となんかよくわからない研究結果と考察と、、、。質疑応答の時間になると1件目に学生の方から質問はいくつか出たものの、案の定、2件目については一切出なかった。当然のことである。おそらく誰も理解出来ていなかっただろう。逆に質問するほうが難しいと感じた。しかし、さすがである。変な空気感になる間もなくさっと手を上げてI社のいかにも優秀そうな若手社員が質問されていた。できる社会人とはこういう人のことを言うのかと感じたのであった。次に良くないと思った点は時間を守っていなかったことである。質疑応答を含め45分を予定されていたのにも関わらず、50分以上講演を続けていた。こうなると聴衆は必ず時間を気にしだす。お昼前だったため余計に集中力が途切れていたはずだ。さらに問題だったのは、目次がなかったことである。永遠と新しいトピックに話が移っていくのである。これは大げさでもなんでもなく、スライドが変わるたびに「まだ続くのか・・・。」といったオーラが明らかに会場全体に広がっていた。もうこの時点で聴衆は内容に集中していない。会場の誰もが(おそらく登壇者も)いつ終わるか気にしていたと思われる。時間を守らないことにより、メッセージ性の無さに拍車をかけていたのだと思う。

ではなぜ悪いプレゼンをしてはいけないのか。そもそもプレゼンとは自分のメッセージをより分かりやすく伝えて、聴講者に何かしらの知見や印象、やる気などを与えるためにするものであるはずだ。悪いプレゼンをすることにより、これらが得られないだけならばまだいいのだが、それ以上に聴講者と登壇者のどちらにとっても時間の無駄になることが最大の問題であると思う。WIN-WINではなくLOSE-LOSEなのである。(ちなみに私は不毛な時間を過ごしたくなかったので、スマホでニュースを観ていた。)全人類、時間は平等に与えられている。その貴重な時間を奪わないでほしいと思ったのであった。