daikosh's blog

1日1アウトプット

哲学ブームの意味するところ。

 

今日の日経新聞に、中国の決済が顔認証が主流になったという記事があった。中国が超監視社会に成りつつあるのだ。以前に『正義の教室』の説明で少し話したが、これはまさにベンサムの設計した監獄・パノプティコンに着々と近づいていっているように思える。ちなみに欧州ではプライバシーを尊重し、顔認証決済はできないようにしているそうだ。しかしよくよく考えてみると、私達の個人情報は生年月日や住所だけでなく、行動や好みの傾向などを含めて既にGAFAに吸収されている。従って、中国のように顔認証を導入しているか否かに関わらず、我々も既に同様の環境で生きているということを自覚するべきなのではないだろうか。また顔認証決済をしていないから安心なのではなく、SNSなどに写真を投稿した時点でアウトである。テクノロジーの進歩に人間は逆らえないのである。

ところで、最近哲学が少しブームになってきているそうだ。例えば『漫画 君たちはどう生きるか』は2018年にベストセラーとなった。その他にも『武器になる哲学』や『嫌われる勇気』なども店頭で並んでいるのを見たことがあるはずだ。これが何を意味するか。実は哲学が求められる時代というのは、今までの価値観が通用しない世界に成りつつあり、人々が不安を抱いていることが多いときだと言われている。令和になったいま、既存の社会システムや価値観が問われているのだ。はたして人類は己の欲望とテクノロジーの進歩に逆らえずにこのまま究極の監視社会、監獄・パノプティコンを完成させてしまうのだろうか。この勢いを食い止めてくれる微かな希望が人類の至宝である哲学という学問だと信じている。

 

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