daikosh's blog

1日1アウトプット

連合軍に強制収容所を見学させられたドイツ人。

 

嵐の二宮が結婚したことにより、ニノロスなるものが一部のファンで起こっているというニュースを目にして「ああ、なんて平和な国なんだ。」と感じた。というのも、ここ数日間、第一次世界大戦第二次世界大戦、冷戦などを取り上げた『新・映像の世紀』シリーズを見ているからだ。1世紀前にも満たない時代にこの日本でも戦争が起こっていたことや、数十年前に世界が核戦争の危機に面していたことを想像すると、如何に自分が恵まれた時代や国に生まれたかを実感しないではいられない。

 

さて、今回取り上げたいのは第二次大戦終結後の話である。アドルフ・ヒトラー率いるナチス・ドイツユダヤ人を迫害し、強制収容所に連行したり、そこで大量虐殺をしていたことは誰もが知っていることだろう。WWII終結後、連合軍はそれら強制収容所を開放していった。そこで連合軍が実施したことを私は初めて知ったと同時に、なんというか善いことであると感じた。連合軍は強制収容所を開放する際に、ドイツ国民に強制収容所の有様を見学させたのである。

 

連合軍はこの場所をドイツ人にも見せなければならないと考えた。

https://www.youtube.com/watch?v=8TUiCkn7IXsより)

 

女性は気を失い、男性は目を背け、"知らなかったんだ"という声が人々から上がった。すると、開放された収容者たちは怒りをあらわにこう叫んだ。

 

"いいや、あなたたちは知っていた。"

https://www.youtube.com/watch?v=8TUiCkn7IXsより)

 

この見学会は、後のドイツに多大なる影響を与えたのではないかと思った。おそらく見学させられたドイツ人は、いかに自分たちが酷いことをしていたのかを目の当たりにし、様々なことを考えさせられただろう。"知らなかったんだ"と言いたくなる気持ちも分かる。おそらくほとんどの国民は、ナチスユダヤ人をどのように扱っていたかも知らなかっただろうし、何より彼らはヒトラーを支持していただけなのだから。しかし、それで片付けることは決して出来ないのである。これを教訓に、烏合の衆にならないことを固く決心した国民は多くいただろう。そして彼らは自分の子供や孫に、自分たちのやったことを伝えていくのだろう。そうして育ってきた人たちが今のドイツを支えているのだ。今のドイツ人が真面目で、政治に関心を持ち、社会貢献性が高い国民であるのも納得が行く。もちろん、天候が影響していたり、元々の国民性から説明することもできるだろうが、強制収容所の見学は大きな要因の一つであることに間違いないと思う。

 

それに反して、日本はどうだろうか。最近では、大臣がメロンを贈っただの、じゃがいもを配っただの、桜を見る会を私物化してるだの、、、なんと平和な国なのだろうか。という話は置いておいて。。。終戦後の日本では、偏りのある教育がなされているように思う。というかそもそも近代の歴史を深く習った記憶があまりない。もちろん様々な立場があったり議論の余地があったりして難しいということは分かるのだが、もう少し客観的な事実として知っておくべきではないかと思う。

日本人が戦争と聞いてまず思い浮かべることはなんだろうか。おそらく原爆だろう。では日本にある戦争の遺産はなんだろうか。原爆ドームである。このことからも分かるように、日本人はどうしても戦争の「被害者」としての観点に陥りがちである。しかし、戦争に「勝者」と「敗者」はいたとしても、「加害者」も「被害者」もないのである。戦争に参加した国は、例外なくすべての国が「被害者」であり「加害者」でもあるはずなのだ。当然日本もである。しかし、残念ながらというべきなのか分からないが、「加害者」としての戦争の遺産は東南アジアや朝鮮など、国外に多く存在する。ドイツ国民のように、日本国民は「加害者」としての遺産を見学させられていないのである。それどころか、少し言いすぎかもしれないが、日本のやったことは全て正しく、原爆を落とされた世界で唯一の可愛そうな国というような教育しかされていないのである。これは非常に残念であると感じると共に、出向いてでも自分の目で見る必要があるように思うのだ。「加害者」としての日本を知っておくのは日本人の義務なのではないだろうか。外国人と話す機会が多くなったグローバルな社会において、知らないということは失礼なことであり、また恥ずべきことなのではないかと思うのであった。

 

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