daikosh's blog

1日1アウトプット

Surréalisme.

 

安部公房著『壁』を読み終えた。内定先企業の課題である読書感想文のために読んだのだが、思いの外考察のしがいがありそうだったため、感想文を書くにあたってこの作品について調べてみた。その結果、この作品はシュルレアリスムというジャンルに分類されるということを知った。感想文は改めて書くとして、本日はそのシュルレアリスムについて少し書きたいと思う。

 

シュルレアリスム(surréalisme)とは超現実主義を意味するフランス語である。これは「〜の上の」といった意味のシュル(sur)と「現実主義」といった意味のレアリスム(réalisme)をくっつけた造語である。超現実主義とはその名の通り、現実を超越したという意味が込められている。すなわち、夢の世界で描くような、要はぶっとんだ世界を表現することを指す。本当に理解するためには、シュルレアリスムの作品を見たり読んだりするのが得策だろう。日常的に用いられている「シュール」というのもシュルレアリスムから派生した言葉である。一番身近でわかり易い作品の例として、『不思議の国のアリス』が挙げられるだろう。猫が喋ったり、トランプの兵士が出てきたりとまさに夢の中の世界だ。ただし『不思議の国のアリス』の時代にはシュルレアリスムといった考え方がなく、むしろシュルレアリスムの源泉となったと言われているため、この作品をシュルレアリスムに分類するか否かは意見が分かれているようだ。いずれにせよ、ここではシュルレアリスムの雰囲気さえ掴んでいただければ結構である。

 

私がシュルレアリスムの文学作品に出会うのは(アリスを除いて)これが初めてであったが、芸術作品では好きな作風である。チュパチャプスのロゴをデザインしたひげが特徴的なスペインの画家サルバドール・ダリや、紳士の顔の前にりんごが浮いている絵で有名なベルギーの画家ルネ・マグリットなどはシュルレアリスムを代表する画家であり、彼らの作品は好んで鑑賞してきた。特にダリは小学校時代に美術の授業で立体模写したこともあって、ダリの展覧会があったときには1時間ほど並んで観に行き、ポスターやキーホルダーを買ってしまうほどである。

 

ところで、シュルレアリスムの原点であるアンドレ・ブルトン著『シュルレアリスム宣言・溶ける魚』という作品がある。実はこの作品は『壁』の中にも登場するのだ。ということで、さっそく大学の図書館で借りてきた。この作品を読んだ上で、『壁』の感想文を書こうと思う。

 

シュルレアリスム宣言・溶ける魚 (岩波文庫)

シュルレアリスム宣言・溶ける魚 (岩波文庫)

 

 

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