daikosh's blog

1日1アウトプット

『仕事は楽しいかね?』を読んで。

 

デイル・ドーテン著『仕事は楽しいかね?』を読んだ。私はまだ仕事にちゃんと就いたことが無いのだが、昔読んだことのあるサンタクロースの絵本のような表紙に惹かれたため読んでしまった。これは自己啓発本の部類に入るものだと思う。仕事に対する考え方、特に起業家を目指す人に書かれたものと思われる。しかし、私生活にも使えそうな要素も含まれていたので、少し紹介しようと思う。

 

仕事は楽しいかね? (きこ書房)

仕事は楽しいかね? (きこ書房)

 

 

まず、この本の主な登場人物は2人。謎の老人と起業に失敗した経験がある35歳のサラリーマンだ。その老人がそのサラリーマンに対して「仕事は楽しいかね?」という問いかけで2人の会話が始まり、老人が成功の秘訣をサラリーマンに教えるという構成になっている。

いきなりだが、老人の言う成功の秘訣をまとめると以下のようになるのではないだろうか。

 

・成功はコイントスと同じで偶然の産物である。

・コインを投げ続けることが重要。

・コインが裏であっても、角度を変えれば表に見えることがある。

 

つまり、挑戦し続けることでチャンスは手に入れることができ、そのチャンスは平等に与えられているが、それをモノにするにはそれ相応の努力が必要であると言っているのだ。その根拠として、実際に成功した話を例にして紹介している。コカコーラが元々は薬の開発でたまたま出来上がったという話や、接着剤を開発しているつもりが剥がれやすいポストイットが出来てしまった話。リーバイスは元々テント屋さんでジーンズを売る気なんてさらさらなかったといった話などなど。これらと同様の事例を上手く織り込みながら説明していた。

 

では、どのようにすればチャンスを掴むことができるのだろうか。まず、目標に対する柔軟な考え方が必要であるといっている。成功してきた人は目標を変えてきた人たちだというのだ。しかし、一つだけ常に掲げるべき目標があるという。

 

明日は今日と違う自分になる。(『仕事は楽しいかね?』より)

 

確かスティーブ・ジョブズも同じようなことを言っていた。(最近の記事で続けてスティーブ・ジョブズが出てきているが、特段思い入れがあるわけではなく、これは本当にたまたまである。笑)

また、問題にぶち当たった時や失敗した時についての考え方も重要であるそうだ。老人はインドのことわざを用いて問題に対する考え方をわかりやすく述べていた。

 

『川沿いに住もうと思うのなら、ワニと仲良くなれ』(『仕事は楽しいかね?』より)

 

つまり、問題(ワニ)を退治するのではなく、問題と仲良くすることで、発見につながることがあるといっているのだ。問題に直面した時に、「それはそもそも問題なのか?」「ゴールを変えた時にその問題は成功への道につながるのではないか?」といったような思考をしてみると良いのかもしれない。

最後に、そもそも新しいアイデアとはどのようにして閃くのかについて説明している。

 

新しいアイデアというのは、新しい場所に置かれた古いアイデアなんだ。(『仕事は楽しいかね?』より)

 

この言葉は、イノベーションは既存のもの同士の掛け算と言われていることにも通じるだろう。つまり、点と点が繋がることがまさにアイデアが生まれる瞬間と言えるのかもしれない。(またスティーブ・ジョブズの話に繋がってしまった。逆に考えると、彼は自己啓発的に核心をついたことを言っていたということになるのだろう。)

 

ざくっと本の内容をまとめてみたが、最後にこの本を読んで印象に残ったフレーズを紹介して終わりたいと思う。それはプロのフルート奏者が自分の演奏について語ったものである。

 

「努力に努力を重ねて、コンサートである曲を完璧に演奏できたとします。そうすると、私はまた努力に努力を重ねて翌日のコンサートではさらに素晴らしい演奏をするんです。」(『仕事は楽しいかね?』より)

 

つまり「完璧」は「完成」ではなく、それを超えることが重要だと言っているのである。「完璧」だと思った瞬間に、そこで成長はストップしてしまうのだ。「完璧」のさらに上を目指す。それがプロフェッショナルなのかもしれない。