daikosh's blog

1日1アウトプット

『壁』を読んで。~補足~

以前に安部公房著『壁』についての記事を投稿したわけだが、内定先企業の課題ということで800字程度という制限があった。今回は、それに収まりきらなかった部分について書き足したいと思う。 上の記事では、微笑みが究極の無表情であり鉄の防壁だという話か…

『壁』を読んで。

以前から言っているように、内定先企業の課題の1つに読書感想文があり、今日が提出締切日であった。本の条件は芥川賞または直木賞を受賞した作品。私は安部公房の『壁』を選んだわけだが、このあたりの話はすでに過去の記事に書いているので参照されたい。 …

漫画版、新世紀エヴァンゲリオン。

新劇場版エヴァンゲリオンの公開日が決定したわけだが、前作から7年ほど経つため内容がうろ覚えであった。 daikosh.hatenablog.com ということで内容を復習するために漫画を全巻(全14巻)購入し 、読了した。TV版と旧劇場版及び新劇場版の序、破、Qは観たの…

帝国図書館。

forbesjapan.com この記事をNewspicksでちらっと目にしたのだが、「『帝国図書館』というアプリを使用している」といった内容のコメントを見て、なんじゃそりゃとなって調べてみた。そもそも帝国図書館とは、その名の通り大日本帝国時代の図書館のことである…

2019年の面白かった本ベスト5。

私の独断と偏見で選ぶ、2019年に読んだ本の中で面白かった本ベスト5を紹介したいと思う。それでは第5位から! 〜5位〜 飲茶著『史上最強の哲学入門』 史上最強の哲学入門 (河出文庫) 作者:飲茶 出版社/メーカー: 河出書房新社 発売日: 2015/11/05 メディア:…

2019年の読書事情について。

今日は2019年の私の読書事情についてまとめてみたいと思う。 今年の4月から少しずつ読書をする習慣をつけていったのだが、今年読んだ本の数は45冊であった。人によっては少ないと感じられるかもしれないが、本を読む習慣が全く無かった私からすると劇的な進…

中田敦彦の読書術。

オリラジのあっちゃんこと中田敦彦の読書術がメンタリストDaiGoとのコラボ動画で紹介されていた。読書をする上で参考になると思うので簡単にまとめてみた。 ①一回読んだだけでは分からないということを受け入れる。 まず1周目はさらっと読んで全体像を掴ん…

冬は贈与の季節。

クリスマスである。「100分で名著」で最近学んだ『野生の思考』でちょうどクリスマスに関する話題があったので、少し紹介したいと思う。『野生の思考』はフランスの哲学者であり構造主義の創始者のレヴィ・ストロースが著した哲学書である。彼は人間の思考に…

100分で名著。

なかなかいい記事が思いつかなかったので、今日は報告だけ。 最近、「100分で名著」というNHK番組をYoutubeで見ることにハマっている。4週(4✕25分)に渡って1冊の本について専門家がわかりやすく解説するという番組である。その本についてだけではなく、…

サラタメさん。最高の睡眠。

最近、「サラタメさん」というサラリーマンYoutuberを見つけたのだが、これは非常にタメになるチャンネルだと思ったので紹介したいと思う。サラタメさんは、巷で話題になっている書籍を10分程度の動画で要所をまとめてくれているのだ。これまでに取り上げら…

『ハイデガー哲学入門ー『存在と時間』を読むー』を読んで。ー死についてー

昨日の記事の続きである。 daikosh.hatenablog.com さて、前回の記事では〈ひと〉について解説した。今回は、ハイデガーが考えた人間が生きる世界観の説明を通して、ハイデガーの人生哲学を紹介したいと思う。 まず、我々人間(実存、現存在)はこの世界に投…

『ハイデガー哲学入門ー『存在と時間』を読むー』を読んで。ー〈ひと〉についてー

インドに行く前に読み終えていた『ハイデガー哲学入門ー『存在と時間』を読むー』のまとめをそろそろしておかないと忘れそうなので、今日から2つぐらいの記事にしてまとめたいと思う。ハイデガー哲学はとにかく専門用語が多く難解であったため、間違いや解…

Surréalisme.

安部公房著『壁』を読み終えた。内定先企業の課題である読書感想文のために読んだのだが、思いの外考察のしがいがありそうだったため、感想文を書くにあたってこの作品について調べてみた。その結果、この作品はシュルレアリスムというジャンルに分類される…

脳力の限界。

現存在、実存、本質存在、事実存在、配慮的気遣い、顧慮的気遣い、間主観性、空談、先駆的決意性、本来性、非本来性、既在、、、 これらはすべてハイデガー哲学で出てくる言葉である。率直に言って意味不明だ。最近、そのハイデガー哲学の入門書である『ハイ…

壁。

今日は報告だけ。大学の図書館で本を一冊借りてきた。内定先企業の課題である読書感想文用の本にするつもりである。ちなみに、読む本は芥川賞や直木賞などをとった作品でないといけない。そこで、何が良いかなといろいろと探していたのだが、以前読んだ宮台…

『君たちはどう生きるか』を読んで。

昨日の記事でも少し触れたが、『君たちはどう生きるか』を読み終えた。オリラジのあっちゃんが話のざっとした流れと内容を動画で取り上げているので、読んでる暇がないという人には良いと思われる。また私が読んだものとあっちゃんの語っていた内容が少し違…

「存在する」とは。

先週の日曜日に図書館で借りた本の内、『君たちはどう生きるか』を読み終えた。いつも通り内容をまとめたいのだが、時間がないので後日に回し、今日は次に読み始めた『ハイデガー哲学入門ー『存在と時間』を読むー』の紹介をしようと思う。導入部分の時点で…

反知性主義、図書館、哲学書。

『反知性主義:アメリカが生んだ「熱病」の正体』を読了した。この本を知ったのは、Youtubeに上がっていたある大学教授の授業がきっかけである。そこで、ハーバード大学が何故アメリカという国ができる前に設立されたのかといった話とともに、この本が紹介さ…

俺か、俺以外か。

先日テレビで現代ホスト界の帝王・ROLANDを見かけた。前から彼の存在は知っていたのだが、想像以上に彼の話は面白かった。そして、昨日kindle unlimitedに彼の本があったので、読んでみることにした。非常に読みやすくスラスラと1時間程度で読み終えること…

『仕事は楽しいかね?』を読んで。

デイル・ドーテン著『仕事は楽しいかね?』を読んだ。私はまだ仕事にちゃんと就いたことが無いのだが、昔読んだことのあるサンタクロースの絵本のような表紙に惹かれたため読んでしまった。これは自己啓発本の部類に入るものだと思う。仕事に対する考え方、…

釈迦の悟りとは。ー釈迦と科学3ー

前回は「空」と「縁起」について説明したが、両者の考え方をまとめると以下のようになる。 釈迦の教えとは「自と他に差はない」と知ることなのです。それが悟りの境地です。自と他は同じものだから。(『お釈迦様の脳科学』より) 注意してほしいのがここで…

仏教の悟りとは。ー釈迦と科学2ー

前回の記事では「空」について説明した。「縁起」の話をする前にもう少しだけ補足しておきたいと思う。 「空」とは最も抽象度が高いものであると同時に、最も情報量が少ないものであるという話であった。前回話した超ひも理論と「空」の世界観の理解を深める…

仏教の悟りとは。ー釈迦と科学1ー

さあついにやってきた。最新の科学が解き明かした世界と釈迦の説いた悟りの世界が重なり合う。正直言うと、今までの仏教の歴史の紹介は今回の内容を語るための前座にしか過ぎない。それでは認知科学者の苫米地氏著『お釈迦様の脳科学』を参考に、仏教の悟り…

仏教の悟りとは。ー誤った仏教の教えの危険性ー

個人的な話だが、今日は学会に出ており、あまりまとまった時間がとれなかったため軽い記事を書きたいと思う。前回までで、ざっと仏教が日本に伝来するまでの流れを紹介した。今回は誤った仏教の教えと、それらの危険性について話したいと思う。具体的にいう…

仏教の悟りとは。ー日本の仏教ー

さて、前回は龍樹を中心とした大乗仏教について話したが、その後のインドでは、仏教はヒンドゥー教に飲み込まれてしまう。しかし、仏教は東へと移動し、中国を通って日本に到来するのであった。『最強の哲学入門 東洋の哲人たち』には中国で花開いた東洋哲学…

仏教の悟りとは。ー空の哲学ー

今回は大乗仏教の中心人物である龍樹(ナーガールジュナ)の教えについて話したいと思う。彼は釈迦の教えを『般若経』と『中論』にまとめた。『般若経』はあの有名なお経『般若心経』の元となったものである。では、彼は一体何を説いたのか。「空の哲学」で…

仏教の悟りとは。ー釈迦ー

今回は仏教の創始者である釈迦について話したいと思う。 彼はある国の王子であり、非常に裕福な生活を送っていた。しかしある日、家の西門から外を見ると、死人が倒れていたのを目撃する。同様に、東門の外には老人、南門の外には病人を見つける。彼はそれら…

仏教の悟りとは。ー梵我一如ー

最近、仏教の悟りについて理解を深めることができた。そこで、このブログで私が理解したことをまとめたいと思う。まずは、仏教の大きな流れを説明することから初めたいと思う。そのために、またまた飲茶氏の本を使わせていただく。『史上最強の哲学入門 東洋…

『正義の教室』を読んで。ー補足ー

前回、絶対主義と相対主義の対立を用いて、西洋哲学史について話したが、今回は現在暫定の勝者である構造主義及びポスト構造主義について話しておきたいと思う。 構造主義を簡単に説明すると、人間はコップの中の水のような存在で、コップの形状によって水の…

『正義の教室』を読んで。ー直観主義ー

今日は「宗教」の正義である直観主義について話したいと思う。おそらくこれが一番ピンと来にくかったのではないだろうか。一般的に宗教とはキリスト教や仏教などのことを指すが、ここで言う宗教とはさらに広義の意味である。この立場を簡単に説明すると、物…