daikosh's blog

1日1アウトプット

デスノートを観て。

 

デスノート全37話を観終わった。展開が早く、とても見やすく、さらに1.5倍速で観ていたこともあり、2日間ほどでさらっと観終えることができた。今日は、その感想や考察を書きたいと思う。※ネタバレあり

 

まず、ほとんどの方はどんなストーリーかご存知かと思うので、簡単にしか説明しないが、このアニメは超優等生の主人公・夜神月(やがみらいと)がデスノートという人の名前を書くとその人を心臓麻痺で殺すことができる殺人ノートを手に入れて、凶悪犯罪者を殺しまくるという話だ。この大量殺人はすぐに社会現象となり、神(キラ)による裁きだと世間では噂される。警察はこのキラ事件の捜査をするがなかなか刃が立たず、天才探偵・L(エル)に協力してもらうことに。このアニメの大半は、この世の犯罪者を消し去り、新世界の神になろうとしている夜神月とそれを許したくないLとの知恵比べが描かれている。

 

さて、このアニメでは人間の愚かさや滑稽さが描かれているが、メインテーマは「正義と悪」であるのではないだろうか。主人公の夜神月は、悪は削除されるべきという理念から、犯罪者を殺していった。実際に、その効果はあり、キラの出現により凶悪犯罪の7割は減少したそうだ。はたしてこれは正義なのか。それとも悪なのか。もちろんこんな問いに答えはない。しかし、このアニメでは、夜神月を悪として描き、Lを正義として描いている。これには2つの大きな効果があると思う。一つは単純に、主人公が悪による日常生活では味わうことのないスリル感により読者を楽しませる効果である。もう一つは、これは本当に悪なのだろうかと読者に考えさせる効果である。というのも多くの場合、アニメの主人公は正義であるはずだ。

最終的に、月はL(実際にはその後継者のニア)に敗北して死に、このアニメは終わる。また最後のシーンだが、月の死に様は非常に美しく描かれていた。作者はこのシーンを使って、こう問いたかったのではないだろうか。

 

夜神月がやったことは悪いことなのでしょうか。」

 

先述したように、この問いに答えなどない。しかし、現時点での私の考えを述べたいと思う。今回のケースでは、月がやったことは悪である。「今回のケースでは」とはどういう意味か。それは、月がLに敗北したケースを指す。仮に、月がLや警察に捕まることなく、勝利していたとする。それは月が正義になる。と私はそう考える。いささか単純すぎて、反論も多くあるとは思うが、世の中そんなものではないだろうか。少し歴史上の英雄に目を向けてみよう。例えば、ナポレオン、始皇帝徳川家康などなど。歴史上の人物の中には、何万、いや何千万人の命を奪ってきた人などザラに居るだろう。彼らは、教科書に載り、英雄とされて語り継がれているのだ。月と彼らの共通点は、自分の中の正義を信じて人を殺していったということである。そして唯一の相違点は、月は敗北したということである。このように、勝者と敗者によって正義や悪というのは相対的なものであると思う。

 

正義は必ず勝つのではない。勝者が正義となるのだ。