daikosh's blog

1日1アウトプット

科学リテラシーについて。

 

以前にメディアリテラシーについての記事を書いたが、今日話したいのは科学リテラシーについてである。メディアリテラシーとは、メディアから正しく情報を読み解く能力のことであったが、科学リテラシーとは、科学的な情報を正しく読み解く能力のことである。なぜこの話をするかと言うと、以下のような騒動があったからである。

 

toyokeizai.net

 

 

血液クレンジング」とは、100ccほどの血を抜き、オゾンを混ぜて再度体内に戻すという仕組みで、オゾン療法とも呼ばれる。冷え性や美容に効果があるとして、はあちゅう氏だけでなく多数の芸能人や著名人(インフルエンサー)が、黒っぽい血が鮮やかな赤に変わる写真とともにSNSで拡散していた。(https://toyokeizai.net/articles/-/311940?page=3

 

私が今回の騒動に対して言いたいことは、科学リテラシーを身につけましょうということだ。科学リテラシーがあれば、このような騒動に巻き込まれることは少なくなるはずだ。しかし、これは案外難しい。その理由は単純で、そんなことは学校で習わないからである。もしかすると、中高の理科の授業で取り上げている先生がおられるかもしれないが、本の一握りだと推測する。少なくとも私は習ったことがない。また私は大学で理工学部だったが、授業などでは「みんな理解しているよね」といったような前提で進んでいたように思う。以前にえらてんというYoutuberが科学の条件として実証・再現性・反証可能性の3つを挙げていた話をしたが、恥ずかしながら私はその時に初めて知った。もちろんなんとなく仮説を立てて検証して実証するのが科学であり、再現性が必要なことは分かってはいたが、いきなり科学の条件を聞かれても答えることは出来なかっただろう。単純に私の勉強不足なのかもしれないが、はっきりと理解している理系大学院生は少数なのではないだろうか。院生にもなると逆に「科学とは」や「論文とは」といったような大前提について学ぶ機会は無いのである。そんなことを知らなくても卒論や修論は書けてしまうし、卒業・修了できてしまうのだ。

少し話がずれてしまったが、とにかく科学リテラシーはなかなか意識しないとつけることができないということである。科学的な情報を得る際には、まず大前提として、科学的に正しいことや論文に書いてあることなどはあくまでも一説であるということを頭に入れておく必要がある。私も現在進行形で理系の大学院生だが、実験結果や解析結果が正しいかどうかなんて分からない。そのため、多角的な実験や考察を積み重ねて自分の仮説を検証し、立証する努力するのである。ただたとえその仮説が立証することができたとしても、あくまでもそれは一つの論文の一つ説となるだけで、反証される余地はいくらでもあるのだ。以上のことから「科学的に正しい、証明されてる」という言葉を鵜呑みにしてはいけないことがご理解いただけたと思う。今回取り上げた騒動の血液クレンジングだって今は批判されているが、効果がないと言い切ることは誰にも出来ないのである。科学は往々にして塗り替えられる。

 

ところで科学リテラシーの話とはずれるが、正しい健康法は得てして地味である。例えばこの記事にも書いてあることだが、ある療法が信用できるか否かの一つの基準は保険が適用できるか否かである。そらそうだろうと突っ込まれるかもしれないが、人間は話題性や意外性などに弱い生き物なのだ。ライフハックのような事柄にどうしても惹かれてしまうのだ。また健康というものは得てしてすぐに手に入るものではないのである。規則正しい生活、バランスの取れた食事、適度な運動といったなんの面白味もないことの積み重ねで健康は得られるのである。話題性が高く、意外な健康法が出てきたら、試してみる前にどのようなソースや原理が元になっているのかリサーチすることをオススメしたい。