daikosh's blog

1日1アウトプット

高所得者が得をする社会。

 

今日は内定者の関西勢で飲み会だった。合計で12人。テーブルを囲む形で横一列に並んだのだが、これくらい大人数になると話題が2つや3つに分かれる。私は一番右端の席に座り、前の二人と左隣一人の計4人で話しをしていたのだが、左端のグループからNISAやiDeCoなどの話をしているのが聞こえた。そこで、さすがだなと思ったのと同時に、少し違和感を覚えた。自分で言うのはおこがましい気もするが、みんな同じ一流の大企業の内定者である。おそらくこの企業に入らなかったとしても、一般人の平均年収を上回る仕事をする人たちばかりだろう。そんな人達が資産運用の話しをすることは当然である。私も本格的な勉強はまだできていないが、やるつもりである。

 

ところで、昔、阿部寛が主演のドラゴン桜というドラマが流行っていた。弁護士である主人公の桜木建二が、底辺高校生を東大合格させるという話だ。その第一話で、桜木は底辺高校生に向けて以下のようなスピーチをする。

 

「どいつも こいつも、バカ面ばっかか。
 お前ら 一生 負け続けるな。

 教師が教師なら、生徒も生徒だ。
 人の話は最後まで聞け!
 ブチ殺されるぞ、テメーら!!

 いいか、負けるってのはな、騙されるって意味だ。
 お前らこのままだと、一生騙され続けるぞ。
 社会にはルールがある。
 その上で生きて行かなきゃならない。
 そのルールってやつは、全て頭の良い奴が創ってる。
 それは つまり どういうことか。
 そのルールは全て、頭の良い奴に都合のいいように創られてるってことだ。
 逆に、都合の悪い所は わからないように上手く隠してある。
 だが、ルールに従う者の中でも、賢い奴は そのルールを上手く利用する。
 例えば、税金。年金。保険。医療制度。給与システム。
 みんな、頭の良い奴がわざと分かり難くして、
 ろくに調べもしない頭の悪い奴らから多く採ろうという仕組みにしている。
 つまり、お前らみたいに、頭を使わず、面倒臭がってばかりいる奴らは、
 一生騙されて高い金払わされ続ける。
 賢い奴は、騙されずに 得して勝つ。
 バカは騙されて 損して負け続ける。
 これが、今の世の中の仕組みだ。
 だったら、お前ら、騙されたくなかったら、
 損して負けたくなかったら、
 お前ら、勉強しろ!
 手っ取り早い方法を教えてやる。
 東大に行け!」

(『ドラゴン桜』より)

 

つまり、この社会は頭の良い人に有利な社会になっているということを言っている。もちろん、この事実を突きつけることにより、勉強をさせることは良いことだと思う。しかし、そういう話をしたいのではない。そもそも、このような社会のあり方は本当に正しいのだろうかと問いたいのだ。

この桜木のスピーチでいうと、一流企業内定者である我々はルールを作る側に回るところまではいっていないが、ある程度騙されないように生きられる人たちである。NISAやiDeCoについて語っていたのがその証拠と言えるだろう。しかし、これらの資産運用はむしろ低所得者や満足に稼げない人たちこそやるべきだと思うわけである。ところが、彼らがやるには様々な要因によって難しかったり、そもそも知らない人も多かったりするのだろう。もちろんこれは仕方のないことなのかもしれないが、この事実に対して私は違和感を覚えたのだった。

今の社会は、建前ではふるさと納税だの軽減税率だの言って、低所得者を優遇しているように見せかけているが、裏では高所得者である自分たちが得をするように仕向けている。昔と比べると状況は改善しているのかもしれないが、高所得者が得をするような資本主義社会であることに間違いはないだろう。こんな格差社会でいいのだろうか。もちろん解決策など知っているはずもないのだが、マルクスが資本主義社会を批判した気持ちがよく分かる。

 

こんなのフェアじゃない!と思いながら、少し虚しくなった夜なのであった。